こんにちは。門田道場です。
日頃より、当店のかつおの藁焼きたたきをご愛食いただき誠にありがとうございます。
おかげさまで、最近では新規のお客さまはもちろん、定期的にご購入いただくお客さまも増加しており、スタッフ一同心から感謝の気持ちでいっぱいの日々を送っています。
また、一度ご購入され、お気に召したお客さまがご家族やお知り合いに贈り物としてご注文いただくことも度々あります。
今後も日本全国の「かつお好き」の皆さまにお召し上がりいただけるよう、かつおの魅力を存分に発信していきたいと思っています。
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かつおの旬は年に2回、訪れる
さて突然ですが、皆さまはかつおの旬がいつなのかご存知でしょうか?
季節によって漁獲量が大きく増減することはなく、1年中おいしいかつおですが、年に2回、人気も美味しさも特に増す旬の時期が訪れます。
1回目の旬は4月〜5月頃、2回目の旬は8月〜9月頃。
このうち、4月〜5月頃に獲れるかつおは「初鰹」、8月〜9月頃に獲れるかつおは「戻り鰹」と呼ばれます。
現在は6月。
初鰹の時期は過ぎたようにも思えますが、4月〜5月というのはあくまでも目安であるため、現在でも初鰹の特徴を持ったかつおの水揚げは続いています。
門田道場では、4月〜6月にかけて初鰹のみを使った藁焼きたたきを製造しており、旬の味を皆さまにお届けしています。
そこで今回は、“春の味わい”初鰹の魅力についてお伝えしていきたいと思います。
太平洋を北上するかつおが「初鰹」
17℃〜29℃の温帯〜熱帯海域を回遊するかつお。
日本では、特に太平洋側の海に広く分布しています。
暖かい海水を好むかつおは、2月頃から太平洋の黒潮の流れに乗って九州南部の海から徐々に北上し始め、3月頃には四国沖、5月頃には伊豆や房総沖へと移動していきます。
そして9月頃には北海道南部の海域まで北上。
その後は水温が低下することもあり、親潮に乗って南下し始め、黒潮の流れに逆らうようにしてさらに南下を続けます。
これが太平洋側に生息するかつおの回遊ルートであり、九州南部から北上を始めたかつおが「初鰹」と呼ばれます。
地域によっては、2月〜3月に獲れるかつおを「初鰹」と呼び、4月〜6月までに獲れるかつおを「上り鰹」と呼ぶこともあるようですが、全国的には「初鰹」で統一されるのが一般的です。
ちなみに、北海道南部から南下を始めたかつおが秋の旬である「戻り鰹」です。
初鰹の特徴
春から秋にかけて回遊を続け、たくさんのエサを食べることによって身に脂がたっぷりと乗る「戻り鰹」に対し、「初鰹」はまだ脂ののりが少ないものの、身は引き締まっており、クセが少なくあっさりとした味わいと弾力のある食感が特徴です。
ただし、同じ「初鰹」でも水揚げされる地域によって味わいや食感が若干異なることもあります。
その理由は、回遊する距離に違いがあるためです。
たとえば北上を開始してすぐの九州や四国で獲れる「初鰹」は、まだエサを求めている途中なので、上記のように脂ののりが少ない特徴を持つのですが、東北近海で獲れる「初鰹」は、すっかりとエサを食べた後であることもあり、「戻り鰹」ほどではないものの、脂ののりが多いという特徴があります。
水揚げされる地域によって、異なる味わいや食感を楽しめる。
それも「初鰹」を食べる醍醐味のひとつかもしれません。
初鰹は低カロリー低脂質の健康食
「初鰹」の身は脂ののりが少ないこともあり、脂が多くのった「戻り鰹」と比べると低カロリー低脂質です。
「初鰹」と「戻り鰹」のカロリー、たんぱく質、脂質の3栄養素を比較してみましょう。
初鰹
カロリー | 108kcal |
たんぱく質 | 25.8g |
脂質 | 0.5g |
戻り鰹
カロリー | 150kcal |
たんぱく質 | 25.0g |
脂質 | 6.2g |
(いずれも生可食部100gあたりの値)
日本食品標準成分表2020年度版(八訂)から引用
たんぱく質こそ微々たる差ではありますが、「初鰹」は「戻り鰹」よりもカロリーが約50kcal、脂質は約6gも低いとあって、健康食としても優秀な一面があります。
そもそもかつお自体が、高タンパク低カロリー、低脂質な食材であることはよく知られていますが、脂ののりが少ない「初鰹」は特にその点が際立っているのがわかります。
ですので、筋トレやダイエットに勤しみ、食事制限を徹底される方でも無理なく食べられる貴重な食材だといえるのではないでしょうか。
初鰹は“たたき”に最適
初鰹は脂が少なくあっさりとした味わいが特徴ですので、醤油をつけて食べる刺身よりも、マリネやカルパッチョなどのサッパリとした味付けの食べ方や鰹節に適しているといわれます。
そしてなんといっても“たたき”。
脂が少ないため、しっかりと火を通すと身がパサついてしまいますが、たたきのように表面だけに火を入れるような食べ方であれば、特徴のひとつである身の弾力やプリっとした食感は活かされたまま味わいが深まります。
また、あっさりとした味わいであるため、タレやポン酢も好相性。
かつおの味とタレやポン酢の味、どちらか一方に偏ってしまうこともなく、お互いを上手に引き立て合いながら絡み合い、一層旨味が増します。
門田道場では、塩たたきよりもタレをたっぷりとかけて味わう食べ方を推奨しているのですが、初鰹はまさにこの食べ方との相性が抜群なのです。
2022年の初鰹は脂ののりが良い?
さて、脂ののりが少なくあっさりとした味わいが特徴の初ガツオですが、2022年に水揚げされたものは、例年よりも脂ののりが良いものが多いといわれています。
はっきりとした理由は分からないようですが、かつおが北上するルートにエサが豊富に生息していたとも、海水温の影響によって代謝が低下したために脂が増したともいわれているようです。
ここまで、長々と「初鰹は脂が少なくあっさりとしている」と説明してきたわけですが、やはりその特徴は様々な自然的な条件によって変わるものです。
だからといって、初鰹の味わいが落ちるということはありません。
脂がのることによって、もっちりとした食感になり、味わいは濃厚になります。
これはこれで、例年にはない初鰹の楽しみだといえるでしょう。
まとめ
今回は、“春の味わい”である「初鰹」の魅力をお伝えしました。
初鰹は、一般的には3月〜5月に獲れるかつおの呼び名であり、夏から秋にかけて獲れる「戻り鰹」よりも脂が少ないという特徴を持ちます。
しかしそれはあくまでも呼び名の話。
すでに6月に入ってはいますが、門田道場では現在も初鰹の特徴に近いかつおを仕入れており、あっさりとした味わいの藁焼きたたきを皆さまにお届けしています。
もう少しの期間、初鰹の味わいを楽しめますので、まだ食べていないという方がいらっしゃいましたら、ぜひご注文ください。