たたきや刺身で何気なく食べているカツオ。
実は女性に嬉しい栄養素の宝庫であるとご存知でしょうか。
「貧血を予防、改善したい」
「肌荒れしない健やかな肌を手に入れたい」
「栄養を効率よく摂取したい」
このような悩みを抱えている女性には、カツオは一押しの食材です。
今回は「貧血改善や美肌効果に!栄養豊富なカツオは体にいい!」として、カツオに含まれる栄養素と効果を女性に向けて解説していきます。
Contents
カツオはどんな魚?
カツオは回遊魚で、日本近海では初夏に九州南部から北上し、秋に黒潮と親潮がぶつかる三陸海岸沖に達すると、今度は南下を始めます。
北上しているカツオを「初ガツオ」、南下しているカツオを「戻りガツオ」と呼び、1年の間に2回旬を迎えるのが特徴です。
初ガツオ
初ガツオは3〜5月に旬を迎えます。
脂身が少なく身は引き締まり、透明感のある赤身でさっぱりとした味わい。
そのため、たたきで食べるのがおすすめです。
戻りガツオ
戻りガツオは9〜11月に旬を迎え、産卵に向けてエサをしっかり食べるので丸々と太り、栄養満点。
「トロカツオ」とも呼ばれるほど脂が乗っているので、もちっとした食感になります。
戻りガツオの濃厚な味わいを楽しむには、刺身がぴったりです。
【栄養豊富】カツオに含まれる栄養素とは?
カツオは赤身魚で、DHAやEPAはもちろんのこと、たんぱく質や鉄が豊富に含まれています。
カツオに含まれる主な栄養素や特徴、働きをまとめると以下の通りです。
また、1食(60g)あたりに含まれる各栄養素の量もご紹介しますので、併せてご覧ください。
栄養素 | 特徴、働き | 1食(60g)あたりの含有量 |
たんぱく質 | ・皮膚や髪の毛、筋肉などを形成 ・ホルモンや免疫物質の調整機能をつくる |
15g |
鉄(ヘム鉄) | ・赤血球の材料になる ・全身に酸素を運ぶ役割をする |
1.14mg |
ビタミンA | ・皮膚の健康を保つ効果 ・粘膜の健康を保ち、正常な免疫機能を維持する働き ・抗酸化作用 |
12μg |
ビタミンB1 | ・糖質をエネルギーに変える ・皮膚や粘膜の健康維持を助ける |
0.06mg |
ビタミンB6 | ・免疫機能の正常な働きの維持 ・ホルモンバランスを整える ・赤血球のヘモグロビン合成にも欠かせない栄養素 |
0.46mg |
ビタミンB12 | ・血液をつくるのに重要な役割を果たす ・神経の機能を正常に保つ |
5.14μg |
ビタミンD | ・丈夫な骨をつくる ・小腸や腎臓でカルシウムの吸収を促進する働き |
5.4μg |
ビタミンE | ・強い抗酸化作用 ・動脈硬化や血栓予防、血圧の低下、悪玉コレステロールを減少させる働き |
0.06mg |
セレン | ・甲状腺ホルモンの活性化 ・抗酸化作用 ・ビタミンEと一緒に摂取することで、より大きな効果が期待できる |
60μg |
DHA、EPA | ・人の体内ではほとんどつくることができない ・EPA:血液サラサラ効果 ・DHA:脳の働きがを活性化させる |
DHA:0.07g EPA:0.05g |
(参考:カロリーSlism)
これだけでも、カツオがいかに栄養豊富な魚かがお分かりいただけるのではないでしょうか。
また、栄養豊富な部位として注目したいのが「血合い」です。
血合いとは、魚の背身と腹身の間にある赤黒い部分。
通常なら下処理の段階で取り除かれることも多い血合いですが、カツオの場合はそのまま食卓に上がります。
血合いには、鉄分、ビタミンA、D、B6、B12、グリコーゲンなどが豊富に含まれるため、ダイエット中の鉄分やビタミンを補給するのに最適です。
ちなみに、血合いに含まれるビタミンB12の量は、魚の中でもトップクラスだと言われています。
女性にいい!カツオに期待できる5つの健康効果
カツオには様々な栄養素が豊富に含まれているとご紹介しましたが、ここからはカツオに含まれる栄養素がもたらす、女性に嬉しい健康効果について解説していきます。
具体的には以下の5つです。
①貧血予防と改善 ②美肌効果 ③筋力アップ ④骨や歯を強くする ⑤アンチエイジング |
それでは早速見ていきましょう。
①貧血予防と改善
多くの女性が抱えている悩みの1つが貧血です。
女性は毎月の月経や妊娠、出産などで多くの血液を必要としますが、現代の若い女性は食生活の洋風化や簡素化などで鉄分が不足しているといわれています。
鉄分といえば、ほうれん草やちんげん菜などの野菜が思い浮かびますが、カツオにはこれらの野菜に比べて2倍近い鉄分が含まれています。
また、野菜に含まれる鉄分が吸収率2〜5%の「非ヘム鉄」なのに対し、カツオに含まれる鉄分は「ヘム鉄」で、吸収率はなんと15〜20%。
より多くの鉄分を体内に取り込むことができるのです。
さらに、カツオには血をつくる時に必要な栄養素であるタンパク質やビタミンB6、B12、葉酸、銅なども含まれているため、カツオを食べるだけで効率よく血をつくることができます。
(参考:公益社団法人「千葉県栄養士会」)
②美肌効果
カツオに含まれているビタミンAの働きで、美肌効果も期待できます。
ビタミンAは、目や皮膚、粘膜などを健やかに保つ効果があり、美容分野では、紫外線によるシミやシワ、乾燥による小ジワなどにアプローチするといわれている成分です。
また、美肌に大きな効果があるもう1つの栄養素は、カツオに豊富に含まれるオメガ3(DHA、EPA)です。
オメガ3はビタミンAと同じようにターンオーバーを促したり、便秘を解消することで腸内環境を整え、肌荒れや吹き出物を改善したりする働きがあります。
とくにEPAには血流を促す作用があり、この働きよって肌内部の血流が良くなると、くすみのない肌につながります。
さらに不飽和脂肪酸であるオメガ3は、肌に潤いを与えたり、皮膚のシワやたるみを予防したりするなど、エイジングケアにも効果的なのが嬉しいポイント。
(参考:あしたの美肌)
③筋力アップ
カツオは高たんぱく低カロリーのため、筋トレで筋力アップを目指している方にもぴったりです。
筋肉の8割はたんぱく質でできており、さらに腱や靭帯もたんぱく質(コラーゲン)でできています。
筋トレ中にはたんぱく質を上手に摂取するため、栄養バランスが良く、高たんぱく低カロリーな食事を心掛けるのが鉄則。
参考までに、カツオに含有されるたんぱく質と脂質の量を他の魚と比較してみました。
種類 | たんぱく質(%) | 脂質(%) |
カツオ | 25.8 | 2.0 |
マグロ(赤身) | 28.3 | 1.4 |
サバ | 19.8 | 16.5 |
マイワシ | 19.2 | 13.8 |
ブリ | 21.2 | 16.1 |
(出典:鴻巣章二監修「魚の科学」)
マグロの赤身部分には劣るものの、その他の代表的な魚と比べると、高たんぱくでありながらも低カロリーであると分かります。
加えて、筋肉を動かすにはビタミンやミネラルも不可欠であるため、これらの栄養素を含むカツオは筋トレ中の食事として最適です。
④骨や歯を強くする
カツオにはビタミンDも豊富に含まれています。
水に溶けにくく、油脂に溶けやすい脂溶性のビタミンDは、食事から摂取するのはもちろん、日光を浴びることで体内でも作り出せます。
ビタミンDの働きは、小腸や腎臓でカルシウムの吸収を促し、血液中のカルシウム濃度を調整すること。
この働きによって、骨や歯を強くしてくれます。
また、女性にとってはPMS(月経前症候群)の発症を予防するという、嬉しい効果もあるといわれています。
PMSの発症を予防するには、1日20〜30μg以上のビタミンDを摂るのが理想です。
カツオには100gあたり8.64μgのビタミンDが含まれているので、他の食材と組み合わせて必要な量を摂りましょう。
一方で、ビタミンDを過剰に摂取すると、食欲不振や体重減少、不整脈などの症状が出る場合もあります。
摂取し過ぎには注意が必要です。
(参考:PMSラボ)
⑤アンチエイジング
カツオに含まれる栄養素の中で、とくに注目したい栄養素が「セレン」です。
セレンとは、酵素やたんぱく質の一部を構成し、抗酸化作用において重要な働きをするミネラルのこと。
ビタミンCやEと一緒に摂取するとより大きな効果を発揮するといわれています。
カツオにはセレンと、強い抗酸化作用を持つビタミンEの両方が含まれているため、カツオを食べるだけでアンチエイジングにも効果的なのです。
また、ビタミンEは年齢を重ねてからではなく、若い時から継続して摂取することで、肌の健やかな状態を保ってくれます。
若い時は肉食が多くなりがちですが、日常的にカツオを食べて効率良くビタミンEを摂取するようにしましょう。
(参考:NHK出版「からだのための食材大全」)
カツオを食べて健康美人を目指そう!
今回は「貧血改善や美肌効果に!栄養豊富なカツオは体にいい!」として、ご紹介しました。
カツオは美味しいだけでなく、栄養価が非常に高い魚だとお分かりいただけたのではないでしょうか。
カツオは高たんぱく低カロリーのヘルシー食材。
カロリーを気にせず食べられて、さらに美肌や筋力アップ、アンチエイジングにも効果的と、女性にとっては嬉しいことずくめです。
カツオに含まれるビタミンB群は熱に溶けやすいため、刺身やたたきとして食べるのがおすすめ。
さらにカツオと食べ合わせの良い薬味を一緒に食べて、効率的に栄養を摂取し、健康美人を目指しましょう。